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「うちゃれ五所瓦」 なかいま強 全6(完結)
週刊少年サンデー掲載

第35回小学館漫画賞を受賞した名作。
「わたるがぴゅん」のなかいま強が、集英社でなく小学館で連載をもった作品。
またもスポーツものなのですが、これは本当に面白いんですよ(コレばっかやな)。
あらすじは鉄板中の鉄板で、弱小部(しかも廃部寸前)に一人残された主人公が、
高校生活最後のインターハイ(と思う)に出場&優勝を掲げ、部員集めから出直し
破竹の快進撃を続けるというガチ中のガチなストーリー。

このありがち極まりなく、しかもどっちかというと敬遠されがちな「角力」という
種目を題材にしたにも係わらず、本当に最初っから最後まで楽しめた作品でした。

わたるがぴゅんが激しくスローペースなのに対し、こちらは一切の無駄を省いたと
言っても過言では無い程に、余分な肉がついておらず、二時間の映画に納まる感もある。
しかし人物の掘りさげや、その他の(なかいま強独特の)ウェットなジョークは健在で
本当に一個の漫画として完璧な形だと思う。

そしていうまでもないが、単純なストーリーにも係わらず読者を魅了し続けたのは
各種キャラクター達であったわけです。
ライバルの名前は忘れましたが黒潮校の田門?違うか。
彼は前回のインターハイ個人優勝を果たした男で、その彼が実は一番驚異を抱いてた
のが、主人公の五所瓦だったわけです。
一方五所瓦は彼と同地区の為が故に、日の目をみなかった男でスラムダンクの赤木みたいなもんです。

そしてこの漫画をスピーディーに仕上げてる所以の一つは、種目を団体戦に絞り
個人戦を描かなかった事だと思います。理由は本編にも描かれてたはずです、
しかもその理由が「いかにも五所瓦」らしいと思えるものだったはず。

仲間は四人、インターハイで個人優勝の経歴をもつ柔道部主将「清川 薫」

アマチュアレスリング部で少し浮いた存在だった「関内 孝之」

へぼ応援団に嫌気がさした自称硬派の虚弱ガイ「軟野 一平」

軟野に引きずり込まれた、温厚な囲碁部員「雷電 五郎」

彼等には個々に特徴があり、主人公五所瓦は「ぶちかまし」と言われる立ち会い時の
突撃です。秒殺の鬼です。あと、どもり体質で基本温厚な人です。
清川はおやじ顔で、ファイトスタイルは当然柔道。性格も顔同様あつくるしいです。
関内はシニカルで、将来はプロレスラーを目指しており、その為のアマレスであった為
そちらの方の情熱よりも、より面白そうな舞台を選んだ辺り彼らしいでしょう。

そして一番の問題児が軟野であり、実力は最弱だが、態度と勘違いは最強の困った男。
しかし、彼なくして五所瓦達の快進撃もなかったのも事実な、意外なキーパーソン。
そしてただのデブよばわりされる、軟野のオモチャ雷電。
最も角力部らしい外見と名前に、草食動物のハートを持ち合わせた不幸の一番星。

彼等五人が旋風を巻き起こすわけですが、実際戦力たりえるのは、五所瓦、清川、関内
この三人で、残り二人は完全なザコなわけです。軟野にいたっては体重50もなさそうです。
むろん5VS5の団体戦において、3勝すれば問題ないので優勝は出来る。
等という青写真通り事が運ぶ事も無く、幾度かメンバーに危機が訪れます、
つまりは、軟野か雷電が勝利を納めねば敗退するという図式です。

これらの危機を、一同の盛り上げ役兼、もっとも己を知らず無謀で硬派な男軟野の機知で
くぐりぬける様は、笑いと感動を喚び、また、清川、関内、五所瓦達のガチ勝負は
手に汗握る興奮と高揚感を与えてくれたのです。

結末は述べませんが、この漫画を読んで角力を始めた人が、この日本中を探せば
必ず居るだろうなぁ・・・・そう思わせる、本当に素晴らしい作品でした。


2005/10/8









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